66話 ⭐️ iDeCoで自分の年金を作る⑨ まとめ
65歳から厚生年金と国民年金を合わてもらえる年間給付額は最高で年360万円〜です。
年に360万円〜もらえるのは、男性のたった0.2%です。
平均年金受給額は、年240万円未満です。
実際はそこから社会保険や所得税などを引いた金額が給付されます。
ひと昔前は、定期預金の利息が、年に約6%あってコツコツ預貯金をすれば、公的年金等と合わせて十分な老後資金を準備できましたが、これからは貯金でコツコツがリスクになる可能性があります。
バブル時代の1990年代は、
郵便局の3年以上の定期預金で 金利 年 6.33%でした。
100万円を3年間貯金すると、
20万2,174円(税引き前)利息がつきました。
今は、3年以上の定期預金の 金利 年 0.01% です。
100万円を貯金しても、利息はたったの 360円(税引き前)です。
今の日本は、過去に例の無いほどの低金利が続てます。
【 低金利が続く中、老後に向けて何をすべきか 】
お金を増やすのに 期待できない預貯金に代えて、何をすべきか、それが資産運用です。
資産運用は、経済環境に負けない、老後の資金をしっかり準備できる強力な武器です。
老後を出来るだけお金の心配なく生活するため資産運用の手段の1つとして、iDeCoで投資をし自分の年金を作ります。
iDeCoは国が国民の老後に向けた資産形成を後押しするために作った公的な制度で、大きなメリットがあります。
iDeCoで行なう投資は世界中の株や債券、不動産などに分散して長期間投資をし、世界中の長期的な経済成長に乗って資産を増やしていきます。
投資は金融商品を安く買って高く売ることができれば利益を上げられます。
なので、多くの人は投資の成果は、買ったものの 価格が上がるか下がるかで決まると考えてますが、実は、価格だけではありません。
【投資の成果は (量 × 価格 )で決まります】
(量 × 価格)投資方法が活用できるのがiDeCoで行う長期積立投資信託です。
例えば、
①毎月、1万円を 積立で投資信託を購入します。
4月 に1万円で10,000個購入します
5月 に9,000円に値下がりしました。😟
1万円 ÷ 0.9万円=1.11倍(少数点3位以下切捨)
10,000個 × 1.11倍 =11,100個 購入
6月 に8,000円に値下がりしました。😣
1万円 ÷ 0.8万円=1.25倍
10,000個 × 1.25倍 =12,500個 購入
7月 に更に7,000円に下がってしまいます。😖
1万円 ÷ 0.7万円=1.42倍
10,000個 × 1.42倍 =14,200個 購入
8月 に6,000円になってしまいます。😫
1万円 ÷ 0.6万円 = 1.66倍
10,000個 × 1.66倍 = 16,600個 購入
9月 も6,000円です。😭
1万円 ÷ 0.6万円 = 1.66倍
10,000個 × 1.66倍 = 16,600個 購入
10月 は7,000円にあがりました。😳
1万円 ÷ 0.7万円=1.42倍
10,000個 × 1.42倍 =14,200個 購入
11月 は9,000円まで持ち返しました。🙂
1万円 ÷ 0.9万円=1.11倍
10,000個 × 1.11倍 =11,100個 購入
12月 は、4月に購入した10,000円に戻りました。😚
10,000個 購入
注意)この値動きは、積立投資について説明するもので、あくまでも例えです。
やっと価格が 1万円に戻った12月に、(量 × 価格)の計算をしてみます。
(量は)
4月 10,000個 購入
5月 11,100個 購入
6月 12,500個 購入
7月 14,200個 購入
8月 16,600個 購入
9月 16,600個 購入
10月 14,200個 購入
11月 11,100個 購入
12月 10,000個 購入
合計 100,630個 購入です
(12月の価格は)
1万円です
(量 × 価格)= 100,630個 × 1万円= 100,630円
4月から12月まで積立をした90,000円が100,630円になりました。
【積立】で【投資信託】した場合は、5月〜11月まで値下がりをしたにもかかわらず、
たった9ヶ月で10,630円、増えてます。😉
②一方4月〜12月まで【積立貯金】をした場合
10,000円 × 9ヶ月 = 90,000円です。
増えも減りもしていません。☹️
①の積立投資信託は、価格が下がった時に安く沢山、購入でき、価格が上がった時に、 安く沢山買った分が、一気に値上がりをします。
積立投資信託は価格が下がっても、上がってもチャンスなのです。
積立投資信託を10年、20年とさらに長期でおこなうことで、積立貯金とは、更に、差がついていきます。
iDeCoには積立投資信託のほかに、元本保証の積立貯金や保険があります。
積立貯金や保険は、元本割れの心配はありませんが、お金は増えません。
【3つの節税メリット】
iDeCoには3つの節税メリットがあります。
① 拠出時 : 所得税と住民税が安くなります
iDeCoの拠出額全額(積立たお金 全額)が所得から差し引かれます。
注意)所得税と住民税が安くなるのは税金を払っている人のみです。専業主婦の方などは対象外です。
所得税と住民税の税率は以下の通りです。
◯所得税の税率と控除額
課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円
◯住民税の税率 10%
上記の所得税率と住民税率をもとに
課税所得金額が400万円の人がiDeCoに未加入の場合と、加入の場合の所得税と住民税の年間の合計税金額を比べてみます。
※ 課税所得金額とは
会社員の場合、年収から給与所得控除(経費)を引いたものが所得になります。この所得からさまざまな所得控除(雑損控除、基礎控除、医療費控除、社会保険料控除、寄付金控除、障害者控除、勤労学生控除、扶養控除、、配偶者控除、iDeCo控除、生命保険控除、など)を引いたものが課税所得金額です。
◯DeCo未加入の場合
400万円 × 20% - 42万7,500円 = 37万2,500円
住民税
400万円 × 10% = 40万円
所得税+住民税
37万2,500円 + 40万円 = 77万2,500円
◯iDeCo加入をし毎月2万円を拠出してる場合
1年間で24万円を拠出します。
(400万円 - 24万円)× 20% - 42万7,500円 = 32万4,500円
住民税
(400万円 - 24万円)× 10% = 37万6,000円
所得税 + 住民税
32万4,500円 + 37万6,000円 = 70万500円
iDeCoに未加入の場合と加入した場合の1年間の所得税と住民税の合計差額は
77万2,500円 - 70万500円 = 7万2,000円
iDeCoに加入してる場合は、加入してない場合と比べて年間7万2,000円 税金が安くなります。😉
年収が多い人ほど所得税と住民税が安くなります。
②運用時 : 運用益が非課税になります。
貯金や投資信託をすると、利息や、分配金を貰う時に値上がりした金額にたいして、約20%の税金が課税されます。
例えば、投資信託で10万円儲けた場合、約2万円の税金を納めます。自分の手元に残るのは約8万円です。
iDeCoは運用期間中の利息や分配金を貰う時の値上がりした金額について、税金はかかりません。
iDeCoで行う、投資信託の運用は税金のかからない分配金などが、再投資され分配金が加算された合計金額にさらに拠出(積立)をし、分配金などが付きます。なので、複利効果(雪だるまを作るように膨らみます)があります。
③受給時 : 一時金で受け取るなら(退職所得控除)、年金として、数回に分けて受け取るなら(公的年金等控除)の対象になります。
◯退職金所得控除
年金を一度に受け取る場合 に控除できます。
計算は
【(iDeCoなどで築いた資産などの収入金額 退職金など含む- 退職所得控除額)× 1/2 】が課税対象額です。
退職所得控除額が高いほど税金が安くなります。
(退職所得控除額)は計算は以下の通りです。
●iDeCo加入期間 20年以下
40万円 × 年数(最低80万円)
●iDeCo加入期間 20年超
800万円 + 70万円 × (年数- 20年)
退職所得控除額を増やすのには出来るだけ早く加入て拠出期間長くするのが得策です。
◯公的年金控除
数回に分けて受け取る場合の控除です。雑所得扱いになります。
課税対象にはiDeCoの受給だけでなく、公的年金や企業年金も含みます。
65歳未満で年金形式で受け取る場合、年間70万円までなら、所得税などはかかりません。
65歳以上で公的年金が年間330万円以上410万円未満の場合の雑所得は
【年金収入(公的年金等 + iDeCo) × 0.75 - 37万5,000円】
で計算され総合課税対象になります。
厚生年金に加入してる会社員の場合、年金受給額は、200万円程です。
これにiDeCoで築いた資産を年金で受け取る場合を想定すると雑所得が大になって税金の負担が重くなったり、国民健康保険料が高くなることもあります。
例えば公的年金の受給が65歳からの場合、iDeCoを年金形式で受け取るのは、60歳から64歳までにするというように節税を生かす工夫が必要です。
受給期間中も残りの資産は、運用は継続します。
いずれの場合も、受給を受け取るたびに、事務手数料が432円かかります。細かいのですが事務手数料を押さえておくことも大切だと思います。
拠出金額は同じでも年金の受給の仕方によって受給金額がだいぶかわります。
拠出中(積立中)に、自分に合った受給対策を、考えておく必要があります。
【大きな失敗をしないために必ず知っておくとよい、2つのこと。】
(分散投資)と(長期投資)
①分散投資
資産運用の投資といえば、多くの人がすぐに 思いつくのが日本企業の株式と、思います。
投資には国内株式以外に投資信託、外貨(FX)、金などの先物、不動産などなど、世界中に、さまざまなものがあります。
さまざまな投資の中でiDeCoでも行うことができる投資信託には、国内株式、日本国債、日本企業の社債、先進国株式、先進国債権、先進国リート(不動産)や、新興国株、新興国債権、新興国リートなどなど、あります。
投資信託は、国内株式と同じように、価格が変動します。外国のものは、更に為替の影響やその国の情勢で価格が変動します。
相場を読んで値上がりをする資産に投資できるという夢のような話は、正直、無いと思います。
専門家の先生の予想もよく外れてます。
どんな資産の価格が上昇するか、予測できないことを前提にどの資産が上昇してもいいように幅広く世界の資産に分散投資をします。
目先の上ってるのも、下がってるのも買って、トータルで世界経済の成長を手にします。
また、分散をして投資すると、リスクを抑えられます。
リスクといえば、一般的に危険性を意味しますが、
投資では価格の値動きを言います。価格の値動きが大きいことをリスクが高いと言います。
複数の値動きの異なる資産を持っていると、1つの資産の価格が下がった時に他の資産の価格の上昇でリスクを補えます。
なので分散をしていろんなものを持つことはとても大切です。
投資信託は、1つの銘柄に、いくつもの会社等が入ってます。1社が破綻しても他社でカバーができます。
②長期投資
投資信託は、価格が下がった時に安く沢山、購入し、価格が上がった時に、 安く沢山買った分が、一気に値上がりをします。
投資信託は価格が下がっても、上がっても良いのです。
投資信託を10年、20年、30年と長期でおこなうことで、どんどん、運用効果が膨れ上がります。
また、世界の国々は、毎日、経済成長をするために努力をしてます。
急速に経済成長が進んでる国もありますが、一時的に落ち込んでる国、緩やかに伸びてる国、停滞してる国など、さまざまです。ですが、どの国も今よりもっと良くなろうと、成長を目指して頑張っています。
【iDeCoを始めるのには金融機関(運営管理機関)選びは、重要です。】
iDeCoを扱う金融機関には、
銀行、信託銀行、証券会社、保険会社、信用金庫、労働金庫
などあります。
iDeCoの口座を持てるのは、1人、1つの金融機関のみです。
iDeCoの口座は、金融機関によって手数料や、選べる商品の数、サービス内容が大きく違います。
ずっと利用してるからと、近所の銀行なら安心と、近所の銀行でiDeCoの口座を開くのは、痛い失敗をする可能性があります。また、iDeCoを扱ってない金融機関もあります。
①手数料
iDeCoの口座を開くと毎月一定の手数料が必要になります。
毎月、支払う 運営機関手数料は金融機関によって差があります。
手数料が無料の金融機関もあれば月に約500円を 取る金融機関もあります。、
運営機関手数料が無料と月に500円では、年間で約6,000円も差がついてしまいます。
10年で 6万円
20年で12万円
30年で18万円
40年で24万円
と、長期期間になると、手数料に大きく差がつきます。
②商品数の充実
商品の品揃えについては、元本保証の商品はどの金融機関にもあります。
資産を増やす、変動型の投資信託の品揃えはチェックする必要があります。
商品の数が 少ない金融機関で10銘柄、最多で35銘柄です。
③信託報酬
信託報酬は投資をした資産総額 から金融機関や運用会社に毎年1回支払うお金です。目には見えませんが、毎年、資産から自動的に引かれてます。運用会社や販売をしてる金融機関の利益になるので信託報酬が高い商品を多く扱う金融機関もあります。販売する金融機関は、売った商品を投資家にずっと長く持ち続けてもらうことによって、毎月、信託報酬が入ります。
信託報酬は自動的に目に見えないところで引かれるのでお金が引かれる実感はわかりませんが、この信託報酬は、長く運営しお金を増やすのに妨げとなります。
ちなみに信託報酬は
銘柄によって決まってます。
安いので約0.13% 〜 高いので約2.1%
パーセント なのでお金をが増えてくるとどんどん多く引かれます。
例えば)
資産(運営総額) 年に1度引かれる信託報酬額
↓↓ ↓↓ ↓↓
0.13% 2.1%
10万円 130円 2,100円
50万円 650円 10,500円
100万円 1,300円 21,000円
200万円 2,600円 42,000円
500万円 6,500円 105,000円
1,000万円 13,000円 210,000円
と、信託報酬の安い0.13%と高い2.1%では、こんなに引かれる額に差がでます。
信託報酬は、出来るだけ安く押さえてたいです。
銘柄が揃ってない、コストが高い(運営機関手数料や信託報酬が高い商品ばかり)といった金融機関では、思うように運用ができない(お金が増えない)恐れがあります。
iDeCo口座を作る時は、加入するときに、納得のいく金融機関(運営管理機関)を選ぶことが大切です。
途中で、金融機関の変更はできますが、保有してる商品を全て売却しなければなりません。変更には1〜2ヶ月もかかります。
④iDeCoに加入するのには、手数料がかかります。
◯国民年金基金連合会に
2,777円
を1度だけ支払います。
これは加入者全員が支払う費用です。
このほかに、新規加入時に別途費用がかる金融機関もあります。
◯運用期間中に毎月かかるコストは、
1 国民年金基金連合会に収納手数料 月 103円
2 事務委託信託銀行に事務手数料 月 64円
3 金融機関(運営管理機関手数料) 月 0円〜500円
1 と 2 はiDeCo加入者全員が毎月支払う手数料です。合計169円です。
3 は金融機関によっては無料のところもあれば、毎月500円も払わないといけない金融機関があります。
ちなみ、私が行なっているSBI証券は、運営機関手数料は無料です。
現在では、各金融機関は、銘柄を増やしたり運営機関手数料を安くしたり、改善を行ってます。
【老後に必要な資金を考える】
老後の資金をつくるのには、老後の資金をどれくらい準備したいか、そのうちどれくらいが年金、貯金、退職金などでまかなえない、老後に不足してる資金で、iDeCoで準備をする必要があるかを考えます。
資産運用をするのには以下①〜④のステップを踏みます。
①いつまでに、どれくらいの資金を準備すべきか見積る。
例えば、30歳のAさんの老後の年金などの不足の資金を月6万円とします。
60歳から90歳まで30年間を考えると
6万円 × 12ヶ月 × 30年間 = 2,160万円
2,160万円必要です。
このほかに病気や、旅行などの余裕資金考えると、老後資金としての不足分は約2,500万円以上は見ておきたいです。
②運用に回せる資金を決める。
60歳までに準備したい金額が決まったら毎月の拠出額を決めます。
30歳のAさんは60歳までの30年間、今の生活費も含めて、毎月2.3万円積めると考えました。
③年何パーセントの運用利回りであれば目標を達成できるか計算する。
Aさんは60歳までの30年間、毎月2.3万円を積んで利率が何パーセントなら目標2,000万円が達成できるか計算をしました。
この計算は電卓では難しいのでwebで計算します。
【モーニングスターのトップページ 】→ 【かんたんファンド検索 】→ 【さっそくポートフォリオを組んでみる 】→ 【目標金額に必要な利回りでポートフォリオを組む 】
⑴ 毎月積み立てる をクリック
⑵ 最初にまとめて投資できる金額はいくらですか?
0万円を入力
⑶ 毎月積み立て金額はいくらですか?
2.3万円を入力
⑷ 積立機関は何年ですか?
30年を入力
⑸ 目標金額はいくらですか ?
2,000万円を入力
⑹ 利回りを計算するをクリック
すると、必要な利回りは5.3%の運用利回りで運用できれば、30年後には2,000万円になります。
ちなみに積立貯金を30年した場合は、
2.3万円 × 12ヶ月 × 30年 = 828万円とちょっとです。
利回り5.3%での運用した場合の半分以下の金額です。😥
また、会社員が50歳から iDeCoを始める場合は、( iDeCoの毎月拠出額の上限は2.3万です。)
50歳を過ぎてからの毎月2.3万円で目標達成は難しいです。 iDeCo以外にNISA(少額非課税制度)(NISAは40話⭐️参照)や一般口座(分配金や引き落とし時に値上がりした分から税金が約20%かかります)を開設し、毎月の積立金額を多くして投資信託を行うこともできます。
◯iDeCoの毎月の掛け金の限度額は
自営業者 : 5,000円〜月額6万8,000円
専業主婦(夫): 5,000円〜月額2万3,000円
公務員 : 5,000円〜月額1万2,000円
会社員の場合は、勤務先の企業年金制度の有無などによって上限額が異なります。
勤務先に企業年金(企業が会社員に対して年金を支給する制度)がない会社員 : 5,000円〜2万3000円
勤務先に確定給付企業年金(企業が会社員に給付する金額を決めているタイプの企業年金)がなく、企業型確定拠出年金(企業が掛け金を出して、会社員が運用するタイプの企業年金)に加入している会社員 : 5,000円〜2万円
確定給付企業年金はあるが企業型確定拠出年金がない会社員や、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金の両方に加入している会社員 : 5,000円〜1万2000円
と決まってます。
④その利回りを達成できる可能性のあるポートフォリオを組む。目標額が高すぎて実現が難しい場合は、目標を下げる。運用に回す資金を増やす。よりリスクをとって高いリターンをめざす。
参考までに【投信評価機関モーニングスター代表、朝倉智也さんが提案するポートフォリオです。】
◯運用期間10年超
株式 100%
(内訳)
国内株式 20%
先進国株式 50%
新興国株式 30%
値動きの大きい株式に投資をします。
このポートフォリオですと期待収益率は約5.2%です。
◯運用期間10年間未満
株式50%、債券50%
(内訳)
国内株式 10%
先進国株式 30%
新興国株式 10%
先進国債券 30%
新興国債券 20%
受給時期が近くなります。値上がりのタイミングで比較値動きの少ない国債に変更し、損の無いように安定した銘柄に調整します。
このポートフォリオですと期待収益は約3.5%です。
上記のとおり多く新興国を組み入れてます。
新興国の投資リスクは、大きいことは間違えありませんが、10年、20年、30年後に向けて資産を育てていくので、成長力が大きな地域への投資こそ資産を守り育てることにつながるはずです。新興国のポテンシャルの高さを考えれば、投資先としてこれを取り込まない手はないのではと思います。
また、iDeCo向けの新興国資産への投資する商品が無い金融機関があります。
金融機関を選ぶときは新興国資産に投資ができる商品があるかということにも注意して金融機関を選択すると良いです。
また、ときどき、ポートフォリオを自分でメンテナンスをすることが大切だと思います。
年に1度ぐらいに資産構成を確認します。
国内株式20%、先進国株式50%、新興国株式30%とします。
その割合が10%以上ズレた場合に拠出金の配分変更をします。
例えば、
国内株式が大きく値下がりをし、20% → 10%となり、
新興国株式が値上がりして40%になった場合は
拠出額を
国内株式20% → 30%
先進国株式50%のまま
新興国40% → 20%に変更します。
また、50歳をさかいに、値上がりをした良い時期に50歳以降の割合に移行し、変動のリスクを減らし安定的な運用に切り替えてiDeCoの受給開始直前に保有資産が大きく値下がりしてしまうといった事態を防ぐようにします。
【ターゲットイヤーファンド】
リバランスなどのメンテナンスの手間を省きたい人は、ターゲットイヤーファンドという商品もあります。
ターゲットイヤーファンドはあらかじめいつまで運用するか設定をし、投資対象の選択や資産配分の変更を自動的に運用を行います。
投資期間が短くなるにつれ変動(リスク)の大きい株式を減らして、債券のような安定運用に移行します。
完全に運用を、お任せできるので、忙しい人や投資初心者には有力な選択肢だと言われてるます。
ターゲットイヤーファンドは金融機関によっては取り扱っていないところもあります。SBI証券と楽天証券にはあります。
ターゲットイヤーファンドは、今後も、各金融機関が新商品を投入してくる可能性があります。
【最近の値動きの傾向は大小はありますが、どれも、同じ動きをしてる】
私は、分散投資をやっていれば、株が大きく下がれば債券が大きく上がると思ってました。
また、日本の株が下がれば、別の国、例えば、アメリカの株が上がると思っていました。
投信評価機関モーニングスター代表の朝倉智也さんの本に、こんなことが書いてありました。
近年、昔ながらの分散投資ではかつてのような分散効果が発揮されない傾向が見られています。
そもそも、株と債券を併せ持つことで、分散効果が得られるのは株が上がれば、債券が下がり、株が下がれば債券が上がるのが経済の約束事だったからです。
このメカニズムは、景気が冷え込んで株式相場が下落した場合は景気回復のために、金利が引き上げられるので、債券価格は上昇します。逆に景気が過熱して株価が上昇すれば金利は引き上げられ、債券価格は下落します。
ところが近年は、超低金利が続いていて、マイナス金利が導入されたと言っても、その低下には限度があります。金利の低下余地が少ないのですから、債券価格があがりにくくなっています。株価が下がっても債券もあまり上がらないとなると、分散の効果は小さくなってしまいます。
株式に関しても世界で価格連動性が高まっていて、昔ほど地域分散の効果はでていません。これはグローバル企業の台頭により世界がフラット化してることが理由の1つです。
例えばアップルはアメリカを代表する企業ですが売り上げの3割を中国で上げています。中国景気の動向はアップルの収益に大きな影響を与えてます。
この様な状況を踏まえると、さらに多様な資産の組み入れが分散効果を上げるためには必要だと考えます。
例えば、国内を主戦場とする非グローバル中小型株ファンドに目をつけるのが一つの方法です。非グローバル企業をポートフォリオに組み込めば世界の株式市場の動向から影響を受けにくくなるはずです。
また、長期的に高い成長が見込める地域に投資するファンドも選択肢になるでしょう。新興国株式に組み入れ対象になっていない、フロンティアマーケット・ネクストイレブン(韓国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、イラン、エジプト、トルコ、パキスタン、ナイジェリア、メキシコのことです。新興国に次いで経済成長する可能性があるといわれています。)と呼ばれる国々に投資するファンドが有力な候補になりそうです。
債券投資については、世界的に低金利状態が続くなか、より投資先を多様化させられると良いでしょう。国債より高い利回りの投資適格社債も投資対象として検討したいです。
低コストのインデックスファンドにこれらのファンドも組み合わせるとより効果のある分散投資が見込めます。
ただし、この様な分散投資をするのには、多様な投信がそろっている金融機関でなければできません。
【iDeCoのデメリット】
原則、60歳まで引き落としができません。
60歳まで積み立て続けます。
iDeCoは、加入者が死亡したときは【 死亡一時金、加入者がケガや病気で障害状態になった場合などは障害給付金として60歳になる前に給付できることもあります。
ですが、iDeCoは加入者が60歳以降になって老齢給付金として受け取りができます。
iDeCoで運用するお金は60歳まで使わずに済むお金で運用をしなければいけません。
現役世代の方ですと、結婚や住宅取得の資金、子供の教育費などまとまったお金が必要になるでしょう。また、家族がケガや病気をしたとき、親の介護が必要になったときなどいざというときに備えて資金を手元に置いておく必要があります。
こうした資金はiDeCo口座とは別に貯蓄運用しておきます。
そこで考えるのが口座の使い分けです。
国が後押しする制度にはiDeCoの他にNISAがあります。NISAは日本に住む20歳以上の方であれば誰でも利用できます。金融機関でNISA口座を開設すると年間120万円まで投資ができ、運用益が非課税です。
NISA口座を開設できるのは1人1金融機関で1口座のみです。非課税期間は投資した年から5年間です。また5年後、ロールオーバーをして5年間延長ができます。NISAは、今後、制度が恒久化される可能性があります。
ロールオーバーは、NISAが始まった当初はありませんでした。後でできた制度です。NISAには、他に積み立てNISA、子供NISAがありますがこれらもNISAが始まった当初はなく、最近できた制度です。
このように、NISAは徐々にに幅広く活用できるようになってきてます。
NISAはiDeCoと違い、いつでも解約が可能です。資金の使途を問わずに利用できます。また、iDeCoでは対象とならない、株式などもできます。
また、iDeCoや、NISAを使わずに通常口座を持って投資を行うこともできます。
金融機関があつかう金融商品は全て投資できますし、商品入れ替えも自由、運用期間の制限も上限額も、解約も受けとりもいつでもできます。運用の自由度は高くなります。
但し、通常口座は利益の約20%税金がかかります。
資産は効率よくお得な、制度を活用しながら資産の置き場を使いわけることを考えていくことが求めてられます。
資産の置き場をどうするかは家計の事情によって変わってくると思います。
【アセットロケーション(資産の置き場)】
① いざと言うときに備える(緊急予備費)は、いつでも引き出せる流動性が重要です。緊急予備費は(預貯金)に置きます。
② 5年〜10年以内に使う予定、例えば、住宅購入の頭金や子供の入学金など、預貯金に置いておくより、(NISA)を活用してリスクを抑えた債券を中心に運用します。
③ NISAの枠120万円を超える場合には通常口座を合わせて活用するのも良いでしょう。
④ そして10年以上の老後の資金の置き場は、60歳まで引き出せないiDeCo口座で運用します。
iDeCoは、老後に向けて自分の年金を作る目的のために用意された制度です。
緊急時や60歳までに必要な資金については目的によってiDeCo以外の貯金やNISAや通常投資など使い分けるのが大切だと思います。
人生100年間時代と言われてますが、皆んなが安心して、過ごせるような時代になって欲しいです。