77話 🐥 新・新興国 廃棄物管理強化プロジェクト
高度経済成長のころの 日本は、ゴミのポイ捨てはあたりまえ、廃棄汚染、水質汚染などの公害問題がありました。
現在は、ゴミのポイ捨てをする人など、ほとんどいなくなりました。家庭ゴミは分別をして、工業水も浄化してから流してます。
日本人は、環境汚染に対する認識が習慣づいてます。
バングラデシュ人は、人をもてなすのが好きです。裕福な人も、貧乏な人も、自分の家の中や 庭は綺麗にします。
ですが、一歩 家から外にでると、かつての日本のように、平気で川や道路にゴミを捨てます。
バングラデシュの首都ダッカの道路脇には、無許可で立てられた業者の看板が、強風で倒れたり、建築現場から でる大きな廃材が 置き去りにされています。
また、工場からでる汚染水は、そのまま流されています。
ほとんどの バングラデシュの市民は、今までのそうだったので仕方ないと、気にもしません。
バングラデシュの街や村は、ゴミだらけで悪臭が漂い、衛生的にも、健康にも良くありません。
捨てたゴミが川に浮いてます。見るだけで悪臭が漂ってるのがわかります。
そこで、バングラデシュの行政と日本のJICA、ODA、NGO、が協働し、2007年から2013年にかけて、
『廃棄物管理能力強化プロジェクト』
を立ち上げて、技術協力支援を行いました。
技術協力支援は環境汚染と健康についての教育、ゴミ収集と集積に関する教育。ゴミ収集車やゴミの管理をするための資金の援助など、それから一番大切なのが、バングラデシュ人が、支援に頼らず自分たちで、考えて、綺麗な環境を保てるように習慣づけられるようにすることです。
街を清潔にするために夜明け前に、『クリーナー』が、ゴミ収集、溝のヘドロ取りをします。
『クリーナー』の仕事は、ケガを伴う危険な仕事です。安全のために、長靴や軍手などを身につけて、安全な体制を確保するのは欠かせません。ですが、暑いから、皆んな身につけないから、長靴や軍手をくれるならお金が欲しいと、なかなか、理解をしてもらうのが困難です。
『クリーナー』に誇りを持って仕事をしてもらうためにと、お給料は、学校の新米教師と同じぐらいです。
『クリーナー』が清掃をしてるところです。
『クリーナー』のおかげで、明け方には、綺麗な街になるのですが、昼間になると、人々がゴミを捨ててしまい、夜には、ゴミだらけの街に戻ります。
このような状態では、いつになっても綺麗な街になりません。
『クリーナー』に頑張ってもらいながら、市民に意識付けを行います。
家庭のゴミは、分別して、リヤカーで収集し、街のあちこちに設置してある コンテに集めます。
コンテに集めたゴミは、ゴミ収集車が、ゴミ集積場に持っていきます。
現役のゴミ集積場では、日々パワーシャベルがゴミの山を積み見上げていきます。
ゴミの山の上空には大量のガラスが舞っています。
ゴミの山は、ハエの大群と強烈な悪臭が漂います。
そして、そのゴミの山の中に、粗末なサリーに身を包んだ女性達が 市場で売るために、まだ使えそうなものを拾っています。
ゴミ集積場は、休止してるところもあります。
休止してるゴミの山は、草に覆われて、臭いは全くありません。
有毒ガス浄化システムが設けられ、滲みでる危険な汚染水を可能な限り、浄化して川に流しています。
バングラデシュの廃棄物問題は、少しずつ、良い方向に向かってます。
バングラデシュは、今、働く若い人口が多く、インフラ整備がどんどん行われています。
モノレール、広い舗装された道路、立派な建物がどんどん建設されてます。
街の中は、昨日なかったものが、今日はできていて、もの凄い勢いで街が、日々、変わっていると、バングラデシュに行った人が、言ってました。
新しい街が出来てくるとともに、人々が環境に興味をもって意識をし、習慣になり、新しい街にふさわしい、清潔で綺麗な街になって行くんじゃないかと思ってます。
中国がバングラデシュの投資に動きだしたようですね。
中国が動きだすと、バングラデシュもカンボジアやベトナムのようになって行くのでしょうか。